大阪府第二の都市・堺市。
商人の町、ものづくりの町として発展した、歴史ある市だ。今回は堺市内の、線路沿いに並んだラブホ街を散策した。
なんばから南海本線の急行に乗り、堺で各停に乗り換える。
石津川という駅で下車する。南海本線の高架に沿って、なんば方面に歩いていく。
工場や老人ホームが集まる地味なエリアに、目を惹く看板が現れる。3軒並んでいる。
右のは、『いねむり時計』。大きな白い三角屋根とサーモンピンクの壁が目に付く。
店名の青い文字は、少し斜めになっていて丸みがある。80年代の、ファンシーな雰囲気を醸し出す。
大阪らしい、意味不明ながらも記憶に残るホテル名だ。残念ながら、閉業していた。
真ん中のは、『ファイン』。建物は、中央が手前に突き出ている。
白に近いピンクの壁をベースに、白の装飾が施されている。中央部分には、楕円の飾りと紋章のような飾りが付いている。左右部分には、レースのようなテラスの飾りがある。
左のは、『ファインオリーブ』。洒落た白の柵と緑の日除けが目立つ。
入り口の左右を、大きな椰子の木が囲む。2フロア分の高さで、存在感がある。
『ファイン』がヨーロッパの屋敷なら、こちらはアジアの屋敷、といったイメージか。
高架沿いの道に戻り、再び歩いていく。
白と薄いピンクの『ファインガーデン』。
四角い窓が規則的に配置されている。先ほどの『ファイン』『ファインオリーブ』2軒に比べると、シンプルなデザインだ。
その隣は、蝶が舞いサンタがポーズを取る、『チャペルクリスマス』。
黒や金の蝶が、壁中に描かれている。駐車場の入り口の上にサンタが2人立ち、両手を広げている。
さらには、ドアの左右をクリスマスツリーが囲む(クリスマス間近ではない)。
お祭り騒ぎという印象を受ける。線路に沿った長い建物なので、インパクトがある。
道を挟んで、煉瓦の色をした『ロータス』が建つ。
1階には、店名通りの蓮のオブジェが置かれている。複数の板を組み合わせ、立体感を出している。後ろには笹の葉が飾られ、アジアの趣を感じさせる。
隣には『ロータスモダンリゾート』がある。
白と黒でまとめた、都会的な佇まいをしている。細かい装飾のある柱と高い椰子の木が、「リゾート」らしさを演出する。
こちらも長い建物なので、圧倒される。
堺の線路沿いのラブホは、総じて建物が大きく、閑静な町に華を添えている。
駅から離れた道路沿いにもラブホがあるらしいので、機会があれば歩いてみたい。
2023年9月散歩