スカイツリーに近い、JR総武線の錦糸町駅の北口。
対照的に、南口は恐ろしくカオスである。
パチンコ屋、場外馬券場、怪しいマッサージ屋。
何といっても、ラブホがズラリと高速沿いに並んでいるのだ。
まず目を惹くのが、『SARA』だ。
紫の花柄が目にも鮮やかである。
ここは、華やかで面白い内装だ。
隣は窓がない、モダンアートな雰囲気の『Duo』。
もう少し西寄りに進めば、清潔感に太っ腹サービスで人気の『バリアン』とザ・昭和な『アラン・ド』のにらみ合い。
更には、非常食配布やAED設置で安心安全をアピールする『ケンブリッヂ』、
東急ハンズのような緑色とクリスタルの模型がまぶしい『Hand’s』が待ち構える。
こうして見ただけでも皆、強烈な個性を放っている。
しかし、これだけではない。
四ッ目通りを横切り、東側に行くとそこにもホテルが密集している。
鉄壁のような外観の『メタルウェーブ』、
ネオンピンクと横断幕が際立つ『SARA sweet』、
真っ白なタイル張りがおしゃれな『Colore』、黄土色の建物と蓮のマークの『LOHAS』。
目があちこちに行ってしまう。
ヨーロッパ風の建物なのに、イメージ写真は畳の部屋と竹林というミスマッチな『ブリストル』。
なぜか赤・黄・緑のラスタカラーで、レゲエチックな『クレスト』。
切り絵のような装飾が渋い『555』、
モノトーンの看板が都会的な『Music』も派手さはないが素敵だ。
そして風格が違うのが、『グランスカイ』である。
この界隈のホテルの中でも一際背が高く、敷地も広く取っている。
壁は下から上まで抜かりなく、空に向かってキラキラ輝いている。
入口には「スパルームOP」のポスターがあり、「星空の下悠久のひと時を……」という決め台詞がカッコいい。
線路沿いにあるホテルも忘れてはいけない。
そのひとつ、口コミサイトで賞を取ったと強調する『Tsubaki』。
総武線の乗客に猛アピールしているのは間違いない。
錦糸町のホテル街は、数では渋谷円山町や池袋北口に負ける。
しかし、こんなにも百花繚乱にそれぞれの特色が現れているホテル街は他にあまりないと思う。
2018年10月散歩