静岡県で最も大きな都市・浜松。
駅の南口から、タクシーで約15分。
ネギ畑に囲まれたラブホ街が見えてくる。
タクシーを降り、『ユートピア』へ向かう。
奥行きのある、ワンルーム・ワンガレージ式の建物だ。
部屋とガレージが並ぶタイプとなっている。
シャッターが上がっている部屋を選び、ドアを開ける。
引き戸の先には、こんな部屋が待っていた。
リビングとベッドルームを、鍵穴状の壁が仕切る。
壁があることで、実際よりも部屋が広く見える。
手前はリビングだ。
ソファとテーブルが置かれる。
テーブルは模様のある石と木でできている。
系列店の名が書かれたライターと、系列グループの名が書かれたボールペンが置かれていた。
ラブホのボールペンは、初めて見た。
テレビと棚の上の壁は、波形の飾りがある。
本来の壁から独立して作ったものなので、手間がかかっていそうだ。
また別の壁面には、レリーフがある。
角のない長方形の板は、ピンク色だ。
内側は紅色の布が貼られている。
中央には、金色の立体的な彫り物がある。
上部にフクロウの顔があり、真ん中には木を挟んで向かい合う鳥2羽の姿が描かれる。
謎めいているが、愛嬌がある。
天井からは、曲線的な照明器具が吊り下げられている。
電球を入れる部分は、絶妙にくびれがあり、先端は波形だ。
柔らかい印象を受ける。
鍵穴の向こうに、ベッドがある。
5枚の鏡が、頭部を占める。
両端の2枚は少し斜めになっていて、真ん中の3枚とは違う景色を映し出す。
鏡の上部は半円状で山を描く。
山は、青い厚手の布が被さり、ふかふかしている。
山の間には、赤いでっぱりがある。
スイッチを押すと、それが何か分かる。
赤い光を放つ電球だ。
左から右へと、流れるように点滅する。
小さな光なのに、一気に派手な空間へと変身する。
赤い電球の他、傘を何枚も重ねたような照明器具もベッドにある。
金色に近い茶色で、華やかさと暖かさが漂う。
ベッドの周りは、黒地に赤と緑の草花が描かれた布が覆う。
何となく、高級感がある。
ベッドに寝転ぶと、白い天井が見える。
意外とシンプルな、四角形の天井だ。
横を向けば、リビングが鍵穴越しに見えて、不思議な感覚だ。
ベッドルーム側にも、リビングと同じレリーフがある。
鏡の後ろの壁は、複雑な装飾が施される。
上部は、瓦屋根らしき茶色い屋根になっている。
外側は白い壁、その内側は茶系のレンガ貼り、さらにその内側は真っ赤なタイル貼りだ。
真っ赤なタイルに、黒い部材を3枚合わせて作った照明器具がある。
何をモチーフにしたのか、よく分からない。
リビングと洗面所の間には、姿見がある。
楕円形で、上部に細やかな植物の装飾がある。
洗面所は珍しい色合いだ。
ボウルは、鮮やかな赤。
鏡の左右は、赤と緑の折り畳んだカーテンのような飾りが付く。
浴室も、初めて見る要素だらけだ。
照明器具は、繊細な細工が施されている。
壁の上部は、ひし形の石が並ぶ。
浴槽は真っ赤で、模様のせいで生肉のように見える。なぜか通常よりも、低い所に掘られている。
鍵穴のような壁。
その奥の、鏡貼りの光るベッド。
華やかさと暖かさが調和する、創作的な部屋だった。
2022年1月探訪
公式サイト:
https://www.hotenavi.com/ks-utopia/
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