「おばあちゃんの原宿」として親しまれる巣鴨。イメージ通りの北口とは対照的に、南口はラブホが点在する。
その一軒『エアポート』は、世界各国をコンセプトにした客室のあるラブホだ。
天使を描いたステンドグラスが2枚、迎えてくれた。白い柱や柵と相まって、宮殿のような佇まいだ。
フロントに来ると、こんな案内パネルが光る。
世界地図がモチーフとなっている。他では見たことがない、ロマン溢れるデザインだ。
「キイイイ~ン(飛行機のエンジン音)……いらっしゃいませ」
案内の音声も、空港らしさを演出する。
人気なのか、たった1部屋しか空室になっていなかった。残された部屋は「日本」だ。
「日本」行きの料金を支払い、鍵を受け取る。
部屋のドアを開けると、鳥の模様の襖が現れる。
引き戸を開けると、こんな部屋が広がる。
旅館のような、和室だ。暖かみのある照明と茶系の壁面・天井が、日本的な雰囲気をより強調する。
手前は居間空間、正面奥はベッド、左奥は鏡と机(身だしなみを整える)の空間となっている。
手前の床は、畳のような模様を持つ。大きな木を削って作ったようなテーブルが、光を反射する。灰皿は、繊細な絵が描かれた焼物だ。
座布団が立てかけられた座椅子が、テーブルを囲む。温泉の宿を思わせる。
左奥は、ひし形の鏡が壁に掛かり、小さな机が壁にくっついている。机には化粧品が置かれ、壁にはドライヤーが掛かる。座布団に座って、身なりを整えられる。
鏡と机の空間の左側には、冷蔵庫やDVDプレイヤーなどの棚がある。
棚の左側には、謎のスペースが設けられている。石が不規則に並び、灯籠が立つ。竹林や、瓦屋根と謎の模様の壁が、スペースを囲む。
温泉宿のようだと思っていたのに、急に屋外へ出た錯覚に陥る。
ベッドは、部屋の正面奥に位置する。
ベッドには、薄茶色の掛け布団がかかる。真っ白でなく、この部屋にぴったり合う色と言える。ベッドフレームは、薄茶色で扇の模様が描かれている。
和テイストのベッドに横たわる。
竹林と、正方形の木板を敷き詰めた天井が、見える。
照明器具は、立方体を曲線的にした形状だ。
よくある老舗旅館のようでもあり、見たことがない光景でもある。
左を向くと、絵織物を間近で楽しめる。夜明けに羽ばたく鶴の群を描く。暗い色が多く使われ、鶴の白さや日光のまぶしさが際立っている。
右を向くと、居間空間や鏡と机の空間を別角度から見られる。
今回は、趣向を凝らした温泉旅館のような部屋だった。他の部屋にも「世界旅行」してみたい。
2023年5月探訪
公式サイト:
https://www.sugamo-hotel-airport.com/
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