気になるラブホは、東京だけでもたくさんある。
その一つ『DUO』は、外壁が黒とグレーで、地味だ。
窓が全くないのも変わっている。
木の色の自動ドアの先に、コンクリート打ちっ放しのフロントが現れる。
料金を払い、鍵を渡された。
部屋のドアを開けると、白い壁と黒いドアが目に付く。
細長い間取りといえる。
ベッドは部屋の突き当たりにある。
そこはシンプルを極めた、モノクロのスペースだ。
ベッド頭部の板、ブラインド、ベッドサイドテーブル、そしてティッシュボックス等の小物は、全て黒色で統一されている。
ランプは光る部分が透明だ。
無彩色の空間に彩りを添えるのが、壁に掛かった風景画だ。
草むらに咲いた薄紫の花が、風で揺れている。
人工的な中であえて自然な美しさを取り入れたと言える。
壁については他に、「S」の装飾が目立つ。
玄関には「A」の装飾もあった。
それぞれ、何の略だろう。
ベッドの足側に、テレビとテーブルがある。
テーブルには電気ポット、コーヒーや紅茶の入った箱が置かれている。
テーブルの下には冷蔵庫、DVDプレイヤーがある。
やはり黒色のものばかりだ。
電気スタンドは、アルミのような銀色の傘と、プラスチックの透明な足が特徴的だ。
部屋全体を、落ち着いた雰囲気に仕上げているのが、間接照明である。
天井の隅に、細長いテープ状の照明が付いている。
壁の形状と相まって、光は分散され、蛍光灯等とは違う柔らかさが生まれる。
眩しくなく、かといって暗くもない、ちょうどいい明るさだ。
ひとりでのんびりするのに適している。
自宅の延長、といっても過言ではない。
基本はゴージャスでエキセントリックなホテルが好みだ。
それでも時には、こんなスタイリッシュな所もいい。
2019年12月探訪
公式サイト:https://www.hotel-duo.jp/