熱海と湯河原の間に建つモーテル『ファンタジア』は、昭和レトロ好きの間で人気を博している。
私もファンであり、ひとりで何度も訪れている。
今回は、熱海駅からタクシーで向かった。
混雑する駅前を抜けて、ビーチラインを走っていく。
しばらくして、ピンクの看板が見えてきた。
タクシーを降りて、空室を探す。
唯一空いていた『宇宙の恋』という部屋に決めた。
階段を上り、ドアを開けると、また数段の階段が現れる。
上った先では、大きな物体が部屋を占拠している。
UFOだ。
部屋の8割くらいは、UFOのようなベッドのために作られたようなものだ。
申し訳程度に設けられた残りの空間には、ソファとテーブルがある。
ソファは赤いベロア調で、星柄のクッションが並ぶ。
木のテーブルの下には、月と星の宇宙を感じさせる床が広がる。
浴室も珍しい内装だ。
壁は真っ赤なタイルが敷き詰められ、浴槽はボウルのような形状となっている。
UFOベッドに目を向ける。
ベッドフレームには、ソファと同じ赤いベロアが貼られている。
とても鮮やかな印象を受ける。
左右には手摺が付き、ランプのような飾りが並ぶ。
正面には、足を乗せるスペースが設けられている。
なお、回転の機能はない。
ベッドに乗ると、見た目よりも高さがあるのが分かる。
ベッドヘッドには、半球状の部材が付いている。
アーチ状になった縁には、青いベロアが貼られ、ランプのような飾りが付く。
飾りは黄色、オレンジ色、緑色と、様々だ。
ベッドヘッドに囲まれた天板には、円筒形のランプが置かれている。
ベッドに横たわると、スペースシャトルが宇宙を飛ぶイラストが目に入る。
こちらは未確認飛行物体なので、地球人を見た宇宙人の気分になれる(?)
真上を向くと、ベッドの一部を映す鏡があるのが分かる。
床の宇宙柄も一緒に映るので、SFの雰囲気が味わえる。
今回は、赤いUFO形ベッドと宇宙モチーフが楽しい部屋を訪れた。
また一年ほど後に、違う部屋に入ってみたい。
2025年1月探訪