大阪の梅田は、たくさんの路線が集まる賑やかなエリアだ。

阪急神戸線の大阪梅田から2駅で、十三(じゅうそう)に着く。駅前に、昭和レトロな繁華街が広がる。

それなりの規模のラブホ街もある。今回はその中でも、少し変わった部屋を訪れた。
ドアを開けると、そこにあったのはベッドルームではなかった。

持ち込み用冷蔵庫と、電気ポットなどが置かれた棚だ。壁には、退室時に役立ちそうな姿見が掛かっている。
シンプルな玄関スペースだ。

向こうに、ベッドがちらりと見える。玄関スペースとベッドのスペースの間に、水回り(ユニットバス)へ通じるドアがある。
ベッドのスペースへと近づく。

この空間には、L字型の机とキャスター付きの椅子がある。机にはテレビやアメニティが置かれている。

机の下に棚があり、タオルやガウンが収納されている。壁は明るい茶色、机は茶色のまだら模様、椅子は明るいベージュだ。
落ち着いた色合いでまとまっている。

ベッド周りを観察する。ベッド横の腰板は、白に近いベージュだ。部屋の突き当たりに掛かるカーテンは、光沢のある明るい茶色となっている。

ベッドはこれといった特徴がない。ビジネスホテルより横幅が広いことくらいだ。
飾り気のないベッドに横たわる。

すると、この部屋の印象が変わった。思いがけず装飾的だったからだ。
アーチ状にくり抜かれた白い空間に、百合の花を思わせる3つの花弁を持つ照明器具。

白い空間は天井を高く見せ、曲線が優しげな雰囲気を添える。
照明器具は、フリルのように波打った先端が、可憐なシルエットを描く。
元はもっと広く、エレガントな内装だったのだろう、と想像できる。

今回は、機能的に改造した一室へ行ってみた。
立てばビジホだが、寝ればラブホという、意外性があった。
2023年3月探訪
↓十三のラブホ街については、こちら