大阪の繁華街のひとつ・京橋。

JR・私鉄・地下鉄が乗り入れ、黄色いレジャービル・グランシャトーがそびえる。

駅から歩いて5分もしないエリアには、老舗ホテル『富貴』がある。
もう幾度も探訪しているので、落ち着いて自動ドアを潜り、フロントに空室を尋ねる。
空いている3部屋のうち、入ったことがない1部屋を選んだ。

今回の客室は、「英国」という名前が付いている。
手前にリビング空間と洗面所・トイレがあり、奥にベッド空間がある。

部屋の真ん中を、浴室が占めている。
ベッド空間を大きく取った部屋はたまにあるが、浴室の割合が大きい部屋は珍しい。

リビング空間には、白い大理石柄のテーブルと茶色い皮のソファが置かれている。
ソファを背にした壁には、額縁のような四角形の飾りがあり、丸みを帯びた照明器具が伸びる。

ソファやテーブルと平行した壁には、四角形の水面のような模様の板が4枚並んでいる。

テーブル上の天井には、丸みのある形状の照明器具が吊るされている。
ベッドまでは、狭い通路で繋がっている。
狭い理由は、浴室が圧迫しているためだ。

通路は鏡面になっていて、床付近にはミントグリーンの柵が立てられている。

柵は短いながらも、丸っこい飾りがある。

通路を経て、ベッド空間に来た。
ベッドの他、クローゼットやテレビ、冷蔵庫も置かれている。

クローゼットには、部屋と同じミントグリーンの縁取りや額縁のような飾りがある。
ベッドの片方は、浴室にとても近い。

ミントグリーンの柱が浴室を囲んでいて、柱の一部はベッドの横にもある。
柱は神殿のように複雑な形状で、上部はアーチ状の装飾と繋がっている。

ベッドの反対側には窓があり、ミントグリーンの板張りの目隠しがはめ込まれている。

ベッドフレームは、ミントグリーンとベージュの2色遣いだ。

ベッドに寝転ぶと、天井もミントグリーンなのが分かる。

真上には、半球体で透明な照明器具が吊るされている。
左を向くと柱とアーチ、右を向くと窓の目隠しが見える。
天井も壁面も、そして照明器具も、爽やかな色合いだ。

この部屋の主役である浴室は、浴槽も洗い場も同じくらいの広さだ。

また、天井に曇りガラスを使用しているため、日光を取り入れることができる。

洗い場はライトグリーンのタイル、浴槽の多くはグリーンの丸タイルが使用されている。
浴槽は大部分が浅く、一部が深い。
半身浴に向いていそうだ。

浴室の外側は、カーテンで覆われている。

カーテンを開くと、浴室がよく見える。
それだけでなく、太陽の光が差し込んで明るくなる効果もある。

今回は浴室が主役の、繊細な装飾が施された部屋を訪れた。
天井から床に至るまで数多くの造形美があり、見る人を飽きさせない。

どの辺りが「英国」なのかは不明だが、西洋の雰囲気があるのは読み取れた。
今後もこのホテルを、定期的に訪れたい。
2025年10月探訪