大阪の京橋は、JR・京阪・メトロが乗り入れる、大きな駅だ。
レジャービル『グランシャトー』など、懐かしい雰囲気の歓楽街が広がる。
駅から徒歩わずか3分で、ラブホ『富貴』に到着する。
3年振り、2度目の探訪だ。
前回は、中華モチーフの部屋だった。
今回は、どんな部屋だろう。
自動ドアを抜け、フロントで空室を聞く。
「今は、101と301が空いてますね」
部屋の写真を見比べて、101を選ぶ。
廊下の装飾に目を奪われつつ、部屋へと歩く。
今回の部屋の名前は、『ガラス』という。
ドアを開ける。
そこには、一言では言い表せない複雑な空間が待っていた。
手前に畳の居間があり、奥に赤い絨毯の寝室がある。
手前から見ていく。
玄関から向かって左側の壁は、青色と茶色に分かれている。
壁の中央に、赤い家紋が2つ付く。
部屋の角に、濃い茶色の鏡台が佇む。
鏡台の上には、花びらを3枚並べた形状の照明器具が光を放つ。
和室に合う木のテーブルには、茶のセットと灰皿が置かれている。
テーブルの近くには、レトロな按摩機がある。
按摩機の後ろの壁を、瓦屋根としっくい壁の装飾が彩る。
太い柱を挟み、寝室側にも瓦屋根としっくいが続く。
寝室側にのみ、石を敷き詰めた床と赤い柵がある。
居間と寝室を分ける部分にも、赤い柵がある。
柵に囲まれているのは、石造りの床だ。
床の上に、ひび割れ模様の付いた立方体の照明器具があり、色とりどりの花が咲く。
これが部屋の名前『ガラス』の由来かもしれない。
花の照明器具の後ろには、光沢のあるブロック貼りの壁がある。
木を彫って模様を付けた立方体の照明器具が、垂れ下がる。
奥の空間に来た。
ベッドは、和室に合わせたやや低めの仕様だ。
ベッドヘッド側の壁は、金色の正方形を並べた模様となっている。
ベッドヘッドは、黒い板を貼り合わせたもので、
左右端はキュッと上向きの曲線を描く。
横たわると、天井に目が釘付けとなった。
寝室の領域を定めるように、障子がフレームを描く。
その中央に、正方形の窪みがある。
窪みには鏡が貼られ、3つつなげた円形の装飾が無数に垂れ下がる。
装飾はひし形を形成し、四隅には照明が付く。
左を向くと、花々と立方体の照明器具があり、目を楽しませる。
居間の全体もよく見える。
右を向くと、緑色のカーテンがある。
開けると、浴室の一部が見える。
浴槽はガラスでできている。
こちらが部屋の名前の由来かもしれない。
浴槽と繋がった茶色いスペースは、用途が謎だ。
今回は、古い情緒と斬新さが感じられる和室だった。
今まで訪れた昭和のラブホの中でも、ベスト3に入るアクセスの良さだ。
何より、3年経っても変わらず営業してくれていたことが、嬉しかった。
2022年10月探訪
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