ラブホ全室を見学できるイベント『わくわくラブホ文化ガイド』が、6月中旬に行われた。
愛知県岡崎市の、ラブホ『伍萬石』の全19室を、見て回った。
※見学したラブホは、2021年10月より休業中で、閉業・解体の予定があるため、詳細な場所は伏せる。
印象に残ったものが色々ある。
中でも、5部屋にあるガラスアートは、どれも忘れがたい。
5枚の絵はどれも共通して、寝室と浴室を隔てる窓に描かれている。
モチーフは女性だ。
1枚目は、『ソアラ』という、ナチュラルな色合いの部屋にある。
ガラスは正方形で、太い木の枠に囲まれている。
ピンクのゆったりしたドレスを着た女性がいる。
髪は紫色のストレートロングだ。
青いアイラインの目で、どこか遠くを見ている。
オレンジや黄色の花が、彼女の後ろや前を囲む。
何となく、ミュシャの絵を彷彿させる。
2枚目は、『ユニバース』という、虹色の照明器具がウリの部屋にある。
ガラスは上部が半円を描く長方形で、下半分は柵に覆われている。
青いオフショルダーのドレスを着た、ブロンドの女性がいる。
髪のラインを、薔薇などのカラフルな花が覆う。
彼女は顔を斜めに向けて、黒目を下目遣いしている。
澄ました表情ながら、子供のように好奇心が旺盛な女性なのだろう。
3枚目は、『ウエスタン』という、西部劇をイメージした部屋にある。
ガラスは『ユニバース』と同じ形状だ。
緑色のドレスとハットに身を包んだ女性がいる。
ドレスは、白いフリルやリボンが華を添える。
ハットは毛皮や羽根で、豪華に仕上がっている。
肩周りを覆うショールも、緑系で統一してある。
西部劇の雰囲気にぴったりだ。
4枚目は、『チロル』という、山小屋風の部屋にある。
長方形のガラスが、キャンバスだ。
緑・黄・赤色の不思議なデザインのドレスを着た女性がいる。
脚にはリボンを巻き付け、赤茶色のハイヒールを履く。
背中で、凧のような四角い布をなびかせる。
彼女は、蝶を捕まえようとしている。
森の妖精といったところか。
5枚目は、『ホワイトハウス』という、西洋の美術館を思わせる部屋にある。
ガラスの形は『ユニバース』『ウエスタン』と共通する。
赤いドレスを着た女性がいる。
茶色い髪は動きがあり、色とりどりの花が髪の上を舞う。
顔はうつむきがちだ。
しかし、目は何かをじっと見つめ、ルージュを引いた口元はきゅっと締まっている。
どこか意志の強さを感じる。
雰囲気は共通していながら、それぞれ別の個性がある、カラフルな美女たちだ。
2022年6月参加・探訪
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