曲線美に囲まれたエキゾチック空間 ホテル伍萬石 ～ラブホを訪ねる～
ラブホ見学会で印象的だった部屋
ラブホ全室を見学できるイベント『わくわくラブホ文化ガイド』が、６月中旬に行われた。
愛知県岡崎市の、ラブホ『伍萬石』の全１９室を、見て回った。
その中から、印象に残った部屋を紹介する。
※見学したラブホは、２０２１年１０月より休業中で、閉業・解体の予定があるため、
詳細な場所は伏せる。
今回紹介する部屋の名は『ハーレム』。
このホテルの中では、比較的コンパクトな部屋だ。
大きな桃型の壁がそびえる居間空間
扉の向こうは、薄いベージュの壁が広がる。
リビングスペースは、ベージュ系統の2色をあしらった壁に囲まれている。
天井の一部は四角形に窪む。
窪みの天井付近の壁面には、葉がモチーフの茶色い彫刻が無数に並ぶ。
シンプルに見えて、遊び心がある。
リビングからベッドスペースを見ると、思わず声が漏れる。
曲線的な仕切り壁が、ベッドを囲んでいたからだ。
曲線は桃のようなシルエットを描く。
仕切り壁は鏡面で、リビングの景色を反射する。
この仕切り壁は、愛嬌と優美さをどちらも感じられる。
外国の建造物を切り取ったようなベッド空間
ベッドに近づく。
本体は、赤のベロア貼りだ。
ベッドヘッドには、扇のような形の鏡がある。
本体と同じ赤のベロアが、鏡の周りを囲む。
ベッドヘッドを照らすのは、多角形の照明器具だ。
ベッドの左側には、縦長で上が半円の窓を模した装飾がいくつかある。
ヨーロッパの、城や教会に使われている窓に似ている。
窓枠の中には鏡が付いている。一部は鏡ではなく、浴室が見えるガラスだ。
窓モチーフの間には、神殿を模した白い柱が並ぶ。
ベッドの右側にも、左側と同じ窓モチーフと柱がある。
窓枠の中は、赤いガラスだ。
まだら模様の赤色に、アジアンチックな魅力を感じる。
ベッドの奥の壁は、赤の模様地だ。
よく見ると、植物の絵柄となっている。
どことなくアジア風だ。
ベッドからエキゾチック空間を味わう
ベッドに横たわると、真っ白なアーチ状の天井が目に入って来る。
細かい鱗のような凹凸が、びっしりと広がっている。
古いヨーロッパの家屋の壁面に多くありそうな、でこぼこだ。
ぽつんと、小さな照明器具が貼り付く。
照明器具は半球体で、複雑な模様を描く。
低い位置からでも、模様の繊細さが分かる。
ベッドからリビングを見る。
目に映る壁は、白や薄いベージュといった大人しい色だ。
しかし、神殿のような装飾や天井のアーチ、曲線の仕切りや天井の窪みなどが見える。
こんなに変化に富んだ天井と壁面は、そうそうないだろう。
まとめ
桃のような曲線と、ヨーロッパともアジアとも付かない異国情緒を味わえる部屋だった。
2022年6月参加・探訪
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