川崎と言えば、堀ノ内の風俗街が有名だ。
一方、ラブホが多い駅としても知られている。
今回は、10軒のラブホを観察した。
東海道線の線路沿いにあるのが、『ティアラ』。
鏡貼りの窓を敷き詰め湾曲した壁面が、青空を大きく映す。
壁面は鏡貼りだけでなく、神殿を模した茶系のイラストになっている。
電車からも見つけることができる、インパクト重視の建物だ。
同じく東海道線の沿線には、『サローネ』と『シティ』が建っている。
『ティアラ』は横浜方面にあるが、『サローネ』『シティ』は品川方面にある。
『サローネ』は、黒地に白い模様の壁で、一方向から見ると屏風形に連なっている。
細長い黄色の三日月マークが、無彩色に華を添える。
「サローネは イタリア語の客間」
名前の意味を説明してくれると、腑に落ちる。
『シティ』は、線路側から見るととても細く見える。
裏へ回ると、それなりの横幅があるのが分かる。
『サローネ』と隣同士なのも、裏へ来ないと分からない。
別の角度から見ると雰囲気が変わるのが、ラブホの面白さだ。
京急川崎へ移動する。
大師線の線路に並行して、ラブホが何軒か建っている。
駅から最も近いのは、『モア』。
壁面やロゴはモノトーンで、ベランダや入口に透明感のある部材を使っている。
無駄がなく清潔な印象を受ける。
『IG』は、京急川崎のホームからよく見える。
低層階は窓があり、張り出している。
高層階は、一部が白黒の市松模様となっている。形状に遊び心が感じられる。
大師線と旧東海道に挟まれた道を歩く。
マンション街だが、時々ラブホが混ざっている。
住宅街に突如現れるリゾート『グランバリリゾート』。
茶色い板貼りの壁面と、鮮やかな緑色の模造植物。
入口の看板や置物も、南国風でまとめている。
その向かいにあるのは、『ノアノア』。
遠くからも分かる「HOTEL」の縦の看板が目印だ。
屋上には、青いネオンの「ホテル」と、ピンクのネオンの「NoA2」が付いた看板がある。
建物は落ち着いた茶色だが、看板はコントラストの強い2色を使用する。ギャップ萌えか。
黒いタイダイの壁面を持つのは、『アロマクラヴィ』。
入口の看板は、紙に印刷しただけのようにシンプルだ。
また入口には、石を敷き詰めた籠を置いている。
この籠は、普通は斜面に置いて土砂崩れを防ぐものだ。
素っ気ないとも、ミステリアスとも感じられる。
大通りである市役所通りの近くにも、ラブホがある。
『じゃんぱら』の向かいにあるラブホは、『パルティノン』。
名前とは違い、神殿の要素は全くない。
白い建物に真っ赤な線が何本か引かれ、おめでたい色合いだ。
旧東海道は、市役所通りの南側は繁華街となっている。
『ロータスバリ』は、そんなエリアにある。
鏡貼りの壁面には、向かいの建物が映る。
中央ほど奥に引っ込んでいて、両端に行くほど張り出す。
横の壁に貼られた広告は、ウユニ塩湖かと思うほど神秘的だ。
川崎のラブホは、近くでじっくり見てこそ分かる意外性や特徴を持つものが多い。
2021年11月散歩
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