これまで新宿歌舞伎町や渋谷円山町など、大規模なホテル街を見てきた。
しかし、個人的に思い入れが深いのは横浜曙町近くのホテル街だ。
JR関内駅から歩くこと、約10分。
マンションに混じってひっそりと、ある通りにラブホが並んでいる。
この界隈の一軒は、人生で初めて入ったホテルだ。内装は、ビジネスホテルのようにシックでシンプルだった。
今回は、そのどちらでもないホテルに足を踏み入れた。
部屋の扉を開くと、まず目に飛び込んできたのは壁にあるライトブラウンの窓と、切り妻屋根のように繰り抜かれた天井だ。
窓は山小屋風とも南国風とも取れるが、ナチュラルな雰囲気を醸し出しているのは間違いない。
窓を開くと、近くのラブホや曙町の怪しげなネオンがよく見える。
風光明媚である。
天井の三角の繰り抜きは、部屋を広く見せるのに一役買っていると言えよう。
茶色の板を貼り付けることで、電球の光が分散され、柔らかい明るさを演出している。
そして棚やソファを同系色に揃えることで、「茶色っぽい部屋だな」という印象が残りやすい。
ベッドのある方を向くと、大きな葉っぱモチーフのオブジェが目に付く。
金属製に見える葉はまるで骨格標本のようだ。
複雑に伸びた葉脈だけが残され、黒い背景に金色と銀色が映える。
無機質な感じがしないのは、茶系の大きな板がオブジェを囲んでいるからだろう。
ここにも間接照明がある。
オブジェの斜め下には黄緑色の小さな灯りがある。
電話や操作パネルをいじる時に、手元が暗くならない為の配慮だろう。
右上の角に付いた棚には、カバの置物やフリンジが付いたランプ、赤いハイビスカスの造花が飾られている。
これで何となく、山小屋風ではなく南国風であることが読める。
内装は全体として、リゾート的なリラックス感があり、1人でのんびりするのに向いている。
2019年3月探訪
↓横浜関内周辺のラブホ街についてはこちら
公式サイト:https://grassino-hotels.com/mo/jp/index.php?shopno=21