岐阜県の、長良川と揖斐川に挟まれた町・安八町。
この小さな町に、すごいラブホがあると聞いてやって来た。

JR岐阜駅から、路線バス「墨俣」行きの終点まで乗る。

墨俣一夜城で有名な墨俣から、徒歩で岐阜垂井線を西に向かう。
合計約1時間。

水田に囲まれたモーテル『サンエイト』が見えてくる。

半分以上のガレージが埋まっている中、その部屋は空室のサインを出していた。
まるで私を待っていたかのようだ。

ガレージ奥のドアを開ける。


薄暗い廊下と登り階段を経て、また別のドアを開ける。

精算機とエアシューターのある、玄関スペースだ。
靴を脱ぎ、最後のドアを開ける。
外と客室の間には、3枚もの扉がある。
最後のドアを開けて、言葉を失った。

手前には御簾に囲まれた、舟形ベッドのある寝室空間。
奥には、畳のある居間空間。

細い廊下は、紅葉柄の絨毯と竹の装飾のある壁で彩られている。
一目だけで、和の趣を存分に感じられる。
紅葉の廊下の奥へ向かい、黒い引き戸をスライドする。

畳の敷かれた居間に来た。
茶系のちゃぶ台と、同色系の座椅子がある。

テレビの横には少し奥まったスペースがある。
灯りのついた竹の装飾と花籠がある。

灯りは逆三角形を丸めた形で、放射状の光を上に向かって放つ。
落ち着いた和の空間を演出する。

窓を開けると、隣のモーテルが見える。

建物の色合いはこちらと違っても、高さはほとんど同じだ。

居間の天井は窪み、金色の壁紙が貼ってある。
中央の照明器具は、ひし形の布の真ん中を膨らませたようなデザインで、愛嬌がある。

和室から右を向くと、寝室スペースが目に入る。

舟のベッドは、石を敷き詰めた四角い窪みにある。
まるで水面に浮かんでいるように見える。

小さな桟橋が、居間と舟を繋ぐ。
左右に柱が立ち、金色の曲線的な飾りが付く。
桟橋を渡り、舟に乗る。

舟の先端の三角地帯の一部が、ベッドヘッドだ。

操作盤が真ん中に置かれ、左右を籠模様の灯りが照らす。

舟全体を囲む木の板は、菱形の穴が模様を描く。

舟の向かう先は、薄茶色と白色の市松模様の壁だ。

緑色の笹の飾りと、好対照をなす。
とても雅だ。
舟の後ろ側を見る。

天井から垂れ下がる御簾には、赤い飾りが付く。

陸と海を分けるようで、やはり優雅だ。
仰向けになり、天井を見る。

障子の形の照明が、白い光を放つ。
その周りを、茶色い八角形模様が囲む。
天井の角は、薄茶色で電球が付いた板がはまっている。
板と板の間には木枠があり、交差する所は金色の継目が付く。
優美な光景だ。

右側を向くと、居間が見える。
手前も奥も、天井がきらめいている。

左側を向くと、浴室のあるガラスや、屋根を模した木の飾りが見える。

ガラスには浮世絵が描かれている。

舟は一見浮いているように見えるが、実際は頑丈で、全く揺れない。

この舟で、1時間ほど仮眠を取った。
朝5時に起きて約350㎞を移動した私を、舟は優しく包み込んでくれた。


浴室もデザインに抜かりがない。

洗い場のガラスには、浮世絵が映る。舟のベッドから見たのと雰囲気が違う。

浴槽は金色で、キラキラしている。

浴槽の上の天井には、貝形で月や星が光る、金色の装飾がある。
何ともきらびやかだ。
浴室と寝室を隔てる部分も目に留まる。

白い石を敷き詰めた細い空間に、筒状の照明器具と植物が並ぶ。
照明器具は背が高いものと低いものがある。

さりげなく和の風情がある。
今回は、舟形ベッドのある風流な和室だった。

こんなに素晴らしい部屋が、駅から1時間かかるのどかな町にある。

訪れると、財宝を発見したかのような喜びに浸れること、間違いなしだ。

2022年7月探訪
公式サイト:
https://www.hotenavi.com/sun-eight/
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