湯島天神(湯島天満宮)は、毎年受験シーズンが近づくと、参拝者が増える。
ここでは、学問の神様・菅原道真が祀られている。
この周囲は、昔から花街として栄えた名残があり、現在もラブホが点在する。
メトロ末広町駅(秋葉原)から新妻恋坂を登り、交差点「清水坂下」から清水坂を登ると、そのエリアにたどり着く。
清水坂を登り始め、妻恋坂を曲がると見えるのが、『湯島御苑』と『フェリア』だ。
『湯島御苑』は、黒い板を横に敷き詰めたデザインとなっている。
1階は、白い漆喰塗りの壁と、その奥の金色に光る障子と笹が特徴的だ。
和テイストでモダンなイメージだ。
はす向かいにあるのは、『フェリア』。
階によってパネル貼りだったり、細長い板貼りだったりするが、全て白でまとめられている。
巨大な花瓶とアレンジされた花が、来る人々を歓迎する。
清水坂をもう少し登ると、『MARI』というホテルを沿道に見つけられる。
入口の金属板に、英語で「感動」「調和」「リラックス」「想像」と書いてある。
4つの単語を縦読みすると、「MARI」となる。
調べたところ、こちらは新館だ。
その近くの交差点を右に曲がると、三組坂という道になり、『MARI』の別館がある。
新館と同じ4つの単語を散りばめ、「MARI」の文字だけ違うフォントになっている。
文字しか使われていないのに、印象に残るデザインだ。
隣には、大きな建物の『リンデン』。
遠目には、オフィスビルに見え、地味だ。
清水坂をさらに登り、湯島坂の交差点を右に曲がると、『プランタン』がある。
淡いオレンジの外壁と、ガラスに凸凹を付けた案内板が、控えめな印象だ。
湯島坂から清水坂に戻る。
突き当たりに湯島天神の鳥居がそびえ立つ。
有名なスポットなのに、静かな町にあるのが不思議だ。
湯島天神の裏には、真っ白な『パティオ』がたたずむ。
植え込みや入口の壁も白で統一される。
湯島天神の社に見守られているように見える。
湯島天神の周りには、春日通りがある。
鳥居を抜けて春日通りの坂を下ると、大きなラブホの看板が目に付く。
一番大きいのは、『プリンセス1世』。
年季が入って看板が色あせているが、外壁は整然としている。
1階の一部は窓になっていて、ガラスに金色のロゴが描かれ、窓を電飾が囲う。
昭和レトロな趣がある。
ピンクと紫のグラデーションに亀のイラストの看板は、『ユナイテッド』。
黒が外壁に使用され、妖艶なコントラストを生み出す。
入口では、噴水がきれいなドームを描く。
『ユナイテッド』の隣には、『ダイアモンド』。
ピンクとグリーンで、元気なイメージを受ける。
立て看板の一つは、3色の回転灯が光を周りに放つ。
来る人のテンションを上げてくれそうだ。
これら2軒のはす向かいには、『エレガンス』がある。
白いブロック貼りで、窓が少ない。
そして横から見ると、非常に細い三角形の建物であることが分かる。
この通りの先には、不忍池がある。
道案内の看板は「中山道」「日光・水戸街道」を示し、ロマンを感じさせる。
春日通りを御徒町に向かって歩く。
黒地に白文字の、『ホテルU』。
意外なことに、メトロ湯島駅2番出口の上にある。
駅の真上にあるラブホは、全国探してもなかなかない。
飲み屋街の奥に潜むのは、『ペガサス』。
春日通りに掲げた看板のペガサスは、精巧でリアルだ。
「ガ」の点がキラキラしたひし形となっていて、メルヘンチックといえる。
屋根はオレンジの洋瓦、壁は白いパネル貼りで、
細長い紫の屋上看板を引き立てる。
今回は、湯島天神につながる坂沿いにあるラブホと、不忍池付近のラブホを巡った。
歴史あるエリアのラブホは、歩き回ると発見が多い。
東京に住んでいても、ちょっとした旅行気分が味わえるのがいい。
2021年11月散歩