内装デザインが魅力的なラブホの中には、駅からのアクセスがよくない所がある。
車の運転ができないラブホ好き(私もそのひとり)は、地図を見て頭を抱えた経験があるはずだ。
一体どうすれば行けるのか。
車を使わない行き方を、一例として並べてみる。
千葉県柏市にある。
中世ヨーロッパ風の部屋を探訪した。
つくばエクスプレス柏たなか駅から、タクシーで向かった。
目的地にこのホテルの名を告げると、運転士は「はいかしこまりました」と、スムーズに連れて行ってくれた。
地元ではよく知られているようだ。
帰りは、閑静な住宅街を歩いて駅まで向かった。
神奈川県横浜市の南部にある。
真っ赤なブランコのある部屋を探訪した。
同じ市でも、横浜駅周辺とは事情が違う、郊外型のホテルだ。
最寄り駅はJR本郷台駅だが、複雑に入り組んだ住宅街で迷子になるリスクがある。
一方で、バス通り(鎌倉街道)に面しているという特徴もある。
そこで、京急線の上大岡駅からJR大船駅行きのバスに乗り、最寄りのバス停「鍛冶ヶ谷」で降りるというルートで向かった。
帰りは鎌倉街道を日野インターチェンジ(横浜横須賀道路)辺りまで歩いて戻り、上大岡駅行きのバスに乗った。
埼玉県川越市にある。
寿司だらけの部屋を探訪した。
時の鐘や川越大師のある「小江戸」エリアは、西武新宿線の本川越駅にほど近い。
しかしこのホテルは、小江戸エリアから歩いて30分かかる。
JR・東武の川越駅も、同様に遠い。
そのため、駅からタクシーを利用することにした。
ホテルの隣にあるゲームセンター「ベネクス川越」を、目的地に選んだ。
道路に近く、目印となるからだ。
帰りはゆっくりと、小江戸エリアを散策した。
静岡県沼津市にある。
回転・上昇下降するベッドの部屋を探訪した。
JR沼津駅から、タクシーで向かった。
目的地には、「バス停の足高」を選んだ。
坂道を登り、標高が上がっていく。
沼津インターチェンジを過ぎると、大迫力のラブホ街に入り、笑みがこぼれる。
帰りは沼津行きのバスに乗った。
渋滞で時間がかかり、行きにタクシーを使ったのは正解だと思った。
岐阜県岐阜市にある。
貝殻ベッドと大きな浴槽の部屋を探訪した。
私が経験した中で、最も行きにくかった所だ。
地図上では、名鉄各務原線の細畑駅から、まっすぐ歩いて行けそうに見える。
だが実際に歩いて、呆然とした。
ホテルが目の前に見えているのに、JR高山本線の線路を渡れない。
地図では線路を渡る道があるが、車専用だったのだ。
歩道橋や地下道はない。
踏切は、線路に沿ってしばらく歩かないと見つけられない。
仕方なく、電話でタクシーを呼んだ。
「あそこに見えている大きな建物まで、お願いします」と告げた。
帰りもタクシーを呼び、岐阜駅へ向かった。
道が複雑で、周囲のどの駅までも歩けそうになかったからだ。
それなりにスムーズな所もあれば、行くのが大変だった所もある。
大きく分けて、ラブホの付近に本数の多いバスの停留所がある場合とそうでない場合に分かれる。
本数の多いバス停であれば、どこの駅とつながっているかを確認すれば、ルートが見える。
バス停が近くにない、あっても本数が少ない場合は、タクシーで付近まで行くこととなる。
ホテル名を言って通じるときもあるが、そうでないときも多い。
近隣の目印になるものを探し、運転手に告げるのがよい。
いずれも、内装デザインはアクセスの苦労に見合った、個性的で世界観がしっかりあるものだった。
今後も、どうやって行けばいいのか分からないラブホに出会った時は、地図をよく見てルートを探っていく。