それは、2024年4月下旬の月曜日のことだった。
仕事を終えてスマホを見ると、見知らぬ宛名からメールが入っていた。
大まかに、以下の事項が書かれている。
「テレビ東京で『じっくり聞いタロウ』という番組を制作している、株式会社エヂカラの〇〇と申します。」
「ブログで使用されているお写真を、当番組で使わせて頂きたく、ご連絡しました。」
「使用希望写真について(中略)元ホテル シャトーすがもの回転ベッドの写真」
「使用意図(中略)『ラブホテルの回転ベッド、エアシューター』を取り上げる際に、説明と共に上記の写真を使用させて頂きたいと思っております。」
「当番組の放送予定日は、2024年5月9日24:00~24:30となっております。」
私は読んで、「えっ?迷惑メール?」と疑った。
プロの写真家でもなく、プロブロガーでもない私に、テレビの制作会社から連絡が来るわけがないと思ったからだ。
とりあえず、制作会社、メールアドレス、差出人、番組を検索する。
制作会社は確かに存在し、メールアドレスのドメインも制作会社に準じている。
差出人は、制作会社のホームページとは違うサイトで、スタッフとして掲載されている。
https://www.tv-tokyo.co.jp/jikkuri_kiitarou
番組も、毎週レギュラー放送の、人気タレントが出演しているものだ。
どうやら、迷惑メールではないようだ。
それなら、写真の使用を拒否する理由はない。
「是非よろしくお願いいたします」と快諾のメールを送った。
その後、写真提供のクレジット(提供元)の希望を聞かれたため、ブログでも使用している「バニ」を使って下さいと答えた。
連絡を受けた日から放送日までは、2週間と数日あった。
その間、時折テレビで写真が使用されることが、頭をよぎった。
ワクワクする一方、心配もあった。
「編集の都合上で、使われないこともあるのではないか」
「コンデジで撮った小さな規格の写真が、テレビでは綺麗に映らないからと、使われないこともあるのではないか」
といった心配だ。
その度に、「使われなかったからって、損する訳じゃないから、気にしなくていいか」と気持ちを切り替えた。
そして、放送日(5月9日)の翌朝。
早起きして、スマホアプリTVerから、『じっくり聞いタロウ』の見逃し配信を再生する。
今回のテーマは、「昭和vs令和 昭和の常識は令和の非常識?」だ。
恋愛や性の観点から、昭和と令和の違いを比べる企画だ。
中盤で、昭和ラブホテルの話題になった。
写真提供会社・アフロや、ラブホ写真家・ゆなな氏の写真や動画に混ざって、私の『シャトーすがも』の回転ベッドの写真が放映された。
その時間は、およそ6秒。
「提供:バニ」と表記されている。
「昭和のラブホテルを象徴」というテロップが入る。
ワイプに映るタレントも、関心を持って写真を観ている。
「本当に、使われたんだ……!」
信じられなくて、頭がぼんやりする。
番組を観終わってから、LINEで友人に報告した。
放映されたのを確認してから、メールをくれたスタッフに連絡した。
なぜ私の写真に白羽の矢が立ったのか、知りたかったからだ。
答えは単純だった。
「(私の写真が)昭和の回転ベッドのイメージ(壁紙の感じ、枕元の鏡張り)に合っていた」とのこと。
私は、テレビで使われる写真は、「有名な人が撮った」「テレビ関係者とコネがある人が撮った」といった事情があって、採用されたと思っていた。
しかし、知名度もなくテレビ関係者と繋がりがなくても、採用されることはあるのだ。
ブログの写真が、テレビ東京の番組で使われた。
また同じような機会があれば(いつあるかは分からないが)、喜んで使用許諾しようと思う。
今回の写真が含まれる、『シャトーすがも』の記事はこちら→