以前、幕張本郷のラブホ街へ行ったと話したときに、「千葉県は西船橋もホテルが充実している」と教えてくれた人がいた。
西船橋で降りてみた。
まずは、駅から下総中山側へ歩くこと、5分。
趣のある『ニューシャトー』の文字が見えてくる。
このホテルは、総武線の車窓からよく見える。
店名が書かれたネオンが大きくて派手なため、乗客は嫌でも覚えるだろう。
私も、一度見ただけで名前と場所を記憶してしまった。
道路から見ると、建物は凸の形をしている。
注目すべきは、中央の高くなっている部分にいる10体の女神像だ。
よく見ると、表情やポーズが異なっている。
花が入った壷を持った女神もいれば、白鳥を抱き抱えた女神もいる。
多くは裸に腰布を巻いただけだが、その表現も少しずつ違う。
作った人のこだわりが伝わってくる。
他にも、
ガス灯の形をした明かり、
窓の上の優雅な曲線模様、
青銅色の鷹が背を向け合っている姿のレリーフ、
四隅にある神殿のような白い柱など、観察したくなる要素が山のようにある。
私が行った日は、「リニューアル工事中」の張り紙があった。
凝りに凝った外観を見ることができるのも、あと少しかもしれない。
次に向かったのは、駅の船橋側だ。
総武線の線路沿いに、整備された新しめの道がある。
子どもからお年寄りまで行き交う通りに、数軒のラブホが並んでいる。
駅に一番近いのは、『新日本プラザホテル』という、特徴がない名前のホテルだ。
武蔵野線のホームとは目と鼻の先である。
電車から部屋が丸見えにならないのだろうか。
白と黒のストライプ模様がモードな『K slit』、
茶系で他の系列店よりも洗練された『Aland』も目立つ。
最後に、武蔵野線の高架に沿って南側へと歩いた。
閑静な住宅街にぽつんとあるのが、『クイーンエリザベス石庭』だ。
少し離れてみると、大きな船の形であることが分かる。
上半分は白く、下半分はピンクベージュを基調としていて、シックな印象を受ける。
窓はほとんどが丸く、客船の雰囲気を出している。
船首にはイカリが付いている。
このホテルには、ウォータースライダーがあるらしい。
本当のクルーズ船でも見かけそうなサービスだ。
西船橋は、異国情緒溢れる赤いレンガのお城と、落ち着いた色調の豪華客船がある、不思議な町だった。
2020年2月散歩
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